361人が本棚に入れています
本棚に追加
「ただいまー……って、漢助いない。珍しいー」
五階に着き、鍵を開けて事務所の中に入ると、今日は依頼があったらしく、珍しく事務所には漢助の姿はなかった。
それを知り、十汰は事務所と繋がったプライベートルームへと向かって行く。
プライベートルームには日常に必要なリビングやキッチン、バスルームも完備されている。ようはそこが十汰と漢助の住居スペースなのだ。
勿論、広めの寝室もあり、そこが二人の愛の住処家でもある。
十汰はリ寝室に着くと、濡れたブレザーを脱ぎ、ハンガーに掛けた。そして、濡れて冷め切った身体をどうにかしたくてバスルームに向かうが、その足が重くて途中で断念した。
雨の日が苦手な十汰にとって、特にこうして一人になった時は心が不安定になる傾向があり、何もできなくなる時があった。
最初のコメントを投稿しよう!