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知って、漢助の事をサポートしたい気持ちが強くなった。
でも、いくら頼んでも漢助は頭を縦に振る事はなく、いつも置いてけぼりで、漢助が帰って来るのを一人で待つしかなかった。
(でも……今は二人だ……)
ちゃんと漢助が隣にいる。
今の自分が漢助の力になれてるかは分からないけれど、こうして漢助の隣で何かしら手伝う事ができている。
それが、十汰にとって幸せだった。
「どうした?」
「え? う、ううん。なんでもないよ」
十汰は無意識に漢助の横顔を見詰めていたようだ。その視線に気付いた漢助がこっちを見ずにそう言って来た。
それを聞き、十汰は勢いよくパッと顔を背け、歩く方向へと移したのだった。
「次、加納咲子の所に行くぞ」
「うん! 了解!」
十汰は漢助のその言葉に元気良く返した。
そして、嬉しさが込み上げる気持ちをグッと堪え、漢助の横を歩いた。
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