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十汰は漢助の頬にキスをして、漢助の胸の中にスッポリと収まった。そして、漢助の逞しい腕の中、さっきまでの恐怖心や不安を忘れ、すやすやと眠り始める。
「ほんと、まだまだ子供だな……」
そんな安堵しきって眠ってしまう十汰に、漢助は苦笑いだ。
普通なら、この流れだとベッドに移行するだろ。そして、互いの身体を貪る。
今日こそは、不安そうな顔をした十汰を見てしまい、抱いてしまおうかと思っていたが、やはり、まだ中身は子供。
二十歳になろうが、恋人の腕の中ですやすやと眠る事ができるのは、十汰くらいだ。
十汰の頭の中には、セ◯クスなんて考えはまだ薄いのかもしれない。
「次、覚えとけよ」
漢助はそう言うと、静かに十汰の身体を抱き抱え、寝室へと連れて行く。そして、その後、漢助は事務所へと向かい、椅子に座って直ぐにパソコンを起動させ、報告書を打ち始めた。
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