カミングアウト!

2/13
前へ
/13ページ
次へ
 ◇  ぱんぱ――ん! 「きゃあっ!?」  部屋の電気のスイッチを入れた途端、賑やかなクラッカーの音が鳴り響いた。 「小春(こはる)さん、お誕生日おめでとう!」  驚く私の顔を嬉しそうに覗き込みながら、同棲中の彼、昌己(まさき)が言う。  テーブルにはバースデーケーキと手の込んだご馳走が並んでいた。 「そうか……私、今日誕生日……」  最近仕事が忙しくて、すっかり忘れていた。自分の誕生日なんて。 「そうだよー! はい、座って座って!」 「ちょ、ちょっと待って。私まだ手も洗ってないし、着替えも」 「ああ、そうだね。じゃあ早く行って来て。その間に料理温め直しとくから」
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!

20人が本棚に入れています
本棚に追加