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◇
ぱんぱ――ん!
「きゃあっ!?」
部屋の電気のスイッチを入れた途端、賑やかなクラッカーの音が鳴り響いた。
「小春さん、お誕生日おめでとう!」
驚く私の顔を嬉しそうに覗き込みながら、同棲中の彼、昌己が言う。
テーブルにはバースデーケーキと手の込んだご馳走が並んでいた。
「そうか……私、今日誕生日……」
最近仕事が忙しくて、すっかり忘れていた。自分の誕生日なんて。
「そうだよー! はい、座って座って!」
「ちょ、ちょっと待って。私まだ手も洗ってないし、着替えも」
「ああ、そうだね。じゃあ早く行って来て。その間に料理温め直しとくから」
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