0人が本棚に入れています
本棚に追加
「ああ、あのリョウタさんですか!失礼しました……。果織のことつけてるストーカーか何かかと(笑)私も何とか彼女と連絡をとってみます。本州と北海道じゃばったりってわけにもいかないし……。彼女の実家は九州だから、お財布なしにはどこにも行けないはず。心配ですね。私たちで旦那さんを支えましょう」
この女性、果織と親密なようだが、果織から旦那について聞いていないようだ。
メガネを鼻に押し上げて、リビングにチラリと目をやる。
「ねえ。果織はどこにいったのかなあ、リョウタさん」
カーペットの上であぐらをかいた、後ろ手に縛られた男性。
歯を食いしばって、こちらを睨んでいる。
「お前がそんなやつとは……。果織を紹介するんじゃなかった」
「俺らは上手くやってたよ。お前が1週間前に家にまで乗り込んで来てしゃしゃるまではね」
「上手くやってたなら、果織は泣かないし火傷の跡もつけてない!1週間前に俺が来たとき、あんな風に逃げ出すはずがない!」
「お前が勝手に外に出したんだよ。これは俺らの問題だろ。果織は絶対見つかるし、戻ってくる」
最初のコメントを投稿しよう!