1/1
前へ
/5ページ
次へ

寝室に湧くと言われる泉 その液体を味わう為に 暗い空間に灯りを点す 指先が触れたは 泉の手前の森の木々 静かな呼吸が 徐々に激しくなるのを聞き さらに森の奥へと進む 飲み込む唾を舌で感じつつ 体を滑らせる 宙を舞う足を横目に 少量だけ湧く泉に口を付けた 次第に量を増やす泉に 満たされた私は 塞ごうとする手を払いのけ 泉に栓をする その時 背中に獣の爪が刺さり 私の声と獣の叫びが重なった
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加