父と母が残したモノ

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そもそも、なぜ火事なんかに巻き込まれてしまったのか──・・ それは、アリアの珍しい容姿のせいであった。 アリアの瞳の色は、ハッキリとしたグリーンで金色の髪の毛。 透き通る程の真っ白な肌。 とても美しい少女であったが、周りの目はそう見なかった。 アリアの両親は普通の黒髪に黒い瞳で、多少の色の差はあっても、世間ではそれが普通な事だった。 しかし、アリアは違う容姿を持って生まれてしまった。 それを、周りは“悪魔の子”だと意味嫌い、気味悪がって村で育った両親でさえ嫌がらせを繰り返えされてきた。 そして、ついに昨晩、家に火を放たれてしまったのだ。 アリアは、父に託されたメモと鍵をポケットに戻すと、胸を張って前に進んだ。 “フラワーガーデン” メモに書かれていた目的地である町を目指して。
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