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魔族は血統や個人によって自らが持つ香りが違う。それがより顕著なのはバンパイア一族だ。 伴侶となりうる者だけが知る香りというものがあるそうで、那音が知るレヴィのバラの香りもそうだ。 逆にレヴィにしか分からない那音の香りがあり、それは甘く妖艶で欲情をかき立てるものらしい。 だから那音の感情で香りが変わると言った事も、今となっては納得がいく。 「こ……、ここで……するのか?」 那音の掠れ声にレヴィは顔をあげた。すると、レヴィは軽々と那音を横抱きにして寝室へと向かった。 一般家庭に置かれているソファとは比べ物にならないくらい大きいソファとはいえ、さすがに男二人がここで致すにはちょっと狭すぎる。 それを懸念して呟いたことを理解してくれたレヴィにホッとする。 豪奢な赤いビロードの天蓋がついたベッドに横たえられるとすぐに、レヴィは那音の体を押さえ込むように圧し掛かった。 「お前との初夜をソファで迎えたなんて、一生文句を言われるだろうからな」 胸の突起は舐められていたせいで赤く隆起し硬くなっている。 そこをさらに執拗に攻め立てるレヴィに、那音は熱くて堪らなくなっている他の場所も触って欲しくて腰を揺らした。 「レヴィ……もう……そこ、やだ……っ」 那音は自分の手を下肢に伸ばしたが、呆気なく手首を掴まれ頭上で押さえつけられてしまった。 もがいて解こうにもバンパイアである彼の力には太刀打ちできない。 「行儀の悪い花嫁だな……」 乳首をカリリと噛まれ、甘美な痛みに腰が跳ねる。 「あんっ」 甘い声と同時に体が弛緩する。そのタイミングでレヴィは那音の手を解放し、彼のスラックスのベルトを緩めた。 白いスラックスは下着ごと引き抜かれ、快感を求めていたその場所にある那音の薄い下生えは透明な蜜で濡れていた。 なんて欲望に従順なのだろうか。熱棒はとうに形を変え、那音の白い腹につきそうなほど反り返っている。 その先端からとめどなく滴る蜜を掬うようにレヴィの指がゆっくりと動いた。 「あぁぁ……っ」  時折、鈴口に爪を立てられて、ブルブルと内腿が震えたまま止まらない。
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