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那音の呼吸が少し治まったことを確認してゆっくりと腰を動かし始める。 「――苦しいか?」 那音は首を左右に振り、目尻に涙を浮かべていた。 想い焦がれていた相手とやっと繋がることが出来たという喜びと、微かな痛み、そして胸が張り裂けるほどの幸せに酔いしれた。 レヴィは、その涙を指で拭ってやると、那音の細い腰を掴み寄せると内部を抉るように腰を動かした。 「あぁぁ!イヤ……ッ、それ……あぁぁっ!ダメ……ぇ」 それまで我慢していた反動か、那音の口からは嬌声しか出てこない。薄い唇から上がる甘い声にレヴィも煽られるように腰を動かす。 いい場所をかすめながら抽挿を繰り返すと、その場所に当たるように那音も腰を浮かせて密着させる。 大きく開かれた脚は力なくシーツの上で揺れているが、時折つま先をぎゅっと丸める仕草が愛おしい。 わずかに開いたままの唇から見せる赤い舌がレヴィを誘う。その唇を塞ぐように何度もキスを繰り返す。 「んーーっ、んんっ……はぁ、はぁ……っく……はっ」 甘いバラの香りが部屋中に広がり、那音の意識を混沌とさせていく。 体のすべてが性感帯になってしまったかのような錯覚さえ起こす。 どこもかしこも気持ちが良くて堪らない。こんな快楽を今まで知らずに生きてきたのかと思うと、二十五年間という時間が勿体なく感じる。 しかも相手は男だ。いや――ただの男ではない。 運命の……血が呼び合った相手だからこそ、この快感を味わえる。 「レヴぃ……早……くぅ、俺を……あなたの、モ……ノに、して……!早くぅ……っ」 啼きすぎて掠れた声で那音が囁くと同時に、彼の中で暴れているレヴィの楔もまた一回り大きくなった気がした。 蕩けそうな目で強請る那音の色香に、レヴィはもう抑えることが出来なくなっていた。 「もう……後戻りは出来ないぞ。お前は俺と同じ者になる……」 「レヴィと、はぁ……一緒なら……かま……わないっ!この……あんっ……体……朽ち、果て……る、その時まで……永遠に……っ」 「那音……っ」 レヴィは今までになく激しく腰を打ちつけながら、那音の白い首筋に深く牙を穿った。 「ひぃぃ……きゃぁぁぁぁっ!」 「――っぐぁ!」 那音の体が激しく痙攣し、二度目とは思えないほどの大量の白蜜を吐き出すと、レヴィもまた低い声で短く唸ると腰を思い切り深く突き込んだ。
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