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「あぁぁ……っう……ひゃぁ……あっ!」
那音の中で灼熱の迸りが最奥を叩き、その熱さと勢いで再び体を痙攣させた。
未だに先端から溢れ出している白蜜が腹や胸を汚していく。
何か得体の知れない大きな手のようなものに意識を鷲掴みにされているような気分だ。
胸を喘がせて、呼吸もままならない状態の那音にレヴィは耳元で囁いた。
「――那音、我が花嫁。俺の血を好きなだけ貪るがいい。本能が求めるままに……」
レヴィは長い爪で自らの首の根元に傷をつけた。
わずかな傷であっても次々に溢れ出る血の香りに気付いた那音は意識を失いかけながらも手を伸ばし、レヴィの頭をかき抱くように引き寄せると、その場所に乾いた唇を押し当てた。
舌先で傷を抉り、溢れ出るものを何度も嚥下する。そのたびに体中に広がっていくのが分かる。
レヴィは那音の体内にあった楔をゆっくりと引き抜きながら、那音の頭を撫でた。
まるで乳を欲しがる子供のように貪る彼の愛おしさに、目を細めて微笑んだ。
「――もう人間ではなくなる。お前はアルフォード家の花嫁だ」
ふっと傷口から那音の唇が離れた。レヴィの頭を抱えていた手がゆっくりと力なく滑り落ちていく。
上下していたはずの胸は二度と動くことはなかった。呼吸はしていない。心臓の鼓動も聞こえない。
レヴィの腕の中でぐったりと身を任せる那音の半開きの濡れた唇にキスをする。
「人間の生が終わったか……。さすがは同じ血だ。拒絶反応もなく苦痛もないようだな」
長い睫毛に涙の滴を飾ったまま目を閉じ、血で染まった赤い唇をわずかに開いたまま力なく眠る那音は死体も同然だった。
人間であった時の体温は急速に奪われていき、肌も透明感を増し始める。
陶器のようなつるりとした触り心地は己と同じものだとレヴィは実感した。
彼の体内に注がれたレヴィの白蜜は一滴も零れることなく吸収されてしまったようだ。
ポカリと開いたままの蕾は今までの情事の激しさを物語っていた。
那音の体勢を整えてベッドに横たえると、明るい栗色の髪がふわりとシーツに広がった。
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