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「――ゆっくりしたいと言ったのはお前の方だぞ。それでも俺を誘うのか?」 「別にセックスしたいって言ってないだろ?」 那音は羽織ったままのワイシャツの襟に指を引っかけて大きく開くと、レヴィの首筋に顔を埋めコクンと喉を鳴らした。 人間の食事は食べても満腹感は得られるが味覚は薄く、バンパイアとしての体を維持することは出来ない。 かといって安易に人間を襲って血を飲むことは、那音にはまだ抵抗があった。 ワインでは満たされないこの体が求めているものがここにある……。 那音は愛おしい者の首筋に何度もキスを繰り返すと、耳元でそっと囁いた。 「ゆっくり、愛し合いながら眠りたい……」 すべて言い終えぬうちに、レヴィは那音をベッドに押し倒していた。 まるで箍が外れたかのように洋服を脱がせキスをするレヴィに、那音は微笑んだ。 那音は彼の首筋に牙を穿つと、口内に広がる香りを楽しみながら喉を鳴らして嚥下した。 レヴィもまた、那音から与えられる快感によって欲情した楔を彼の下肢に押し当てながら、胸の突起を指先でつまみ上げた。 声を出すことなく背中をそらせる那音の耳元で、息を弾ませたまま甘く囁く。 「――世話が焼ける妻だな」 那音のスラックスを下着ごと下ろすと、何の前戯もないまま蕾に楔を押し当て一気に貫いた。 「ひゃ、ん……んんっ!」 あまりの衝撃に首筋から牙を引き抜いた那音は唇を赤く染めながら可愛らしい声で啼いた。 繋がったまま体を起こしたレヴィは那音を抱きかかえるようにして、互いに向き合ったまま下から突き上げた。那音は、ただでさえ自分の自重でいつもより深い場所にある彼の楔を感じて、体中が小刻みに痙攣を繰り返す。 無意識のうちに自分の欲望から溢れ出る白蜜に腹を濡らしながら、嬌声をあげた。 「那音……これじゃあ“ゆっくり”は無理だな。腰が揺れているぞ?」 「いやぁ……っ、深い……から……奥……気持ち……いいっ!」 顎を仰け反らせたまま達する那音の背中を抱きしめながら、レヴィは満足げに微笑んだ。
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