プロローグ『僕のことを好きになってください』

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「僕のことを好きになってください。僕と恋愛をしましょう。それで、漫画を描いてください!」 「……はぁ!?」  それしか方法はない。  恋愛を知らないから恋愛漫画が描けないのなら、恋愛をして恋を知って、それで漫画を描いてくれ。  頭のおかしい担当は、そう言っている。そして譲らない。それがアンケート最下位から逃げ出す唯一の方法であると言っている。  確かに、一理はある。  『恋』を知れば、また違った恋愛漫画が描けるかもしれない。だけど。 (相手も選ばせてもらえないって、それってどうなの!?)  困惑する作家とは裏腹に、最高の意見を言ったと自負する担当は、にこやかに微笑むのだった。
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