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まだ幼い頃、私には友だちがいなかった。
一人っ子であることに加え、家が少し田舎で、近所に同世代の子どもがいなかったのが原因だろう。
親の教育方針によりゲームの類いも買ってもらえなかったので、子どもの頃はもっぱら独りで絵本を読んだり、近所の川や裏山、神社などで遊んで過ごしたものだ。
そのうち、初めて遊び友だちができた。
名前はスミゾウ。
いつ、どこで出会ったのか記憶は定かでない。
いつの間にか、スミゾウは私のそばにいて、私たちは一緒に近所のあちこちで遊ぶようになっていた。
歳はよく分からない。
体格が私と同じくらいだから、たぶん同い年なんだろうと思っていた。
スミゾウは冬でも半ズボンを履き、上半身は裸。
いつも裸足。
頭は丸坊主で、だらしなく鼻水を垂らしている。
右目と左目の高さがちょっとずれているのが福笑いみたいでとてもおかしく、私はよくからかったものだ。
ただ、スミゾウの体のあちこちに大きな腫れ物があって、いつもじゅくじゅく膿が滲みだしていたのは、子ども心にも何となくイヤだった。
小学校に上がる前、五つくらいまでは、毎日のようにスミゾウと遊んでいたように思う。
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