第4章

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そして、保育園も一年が過ぎたころ、 近所のショッピングモールで久々に会った旧友の綾香に今までの話をする機会があった。 綾香にも陸と同い年の女の子がいた。 そして、 「旦那さんは美樹を深く愛してくれてると思うよ。自分の子どもを降ろしても付き合い続けるなんて。こんなこと言うのもなんだけど、元彼さんはただの通過点で、出会わなくても良かった存在だったと思うよ。だって、旦那さんに出会えたんだもん。私はいつまでも美樹の味方だからね。」 私はこの言葉で、本物の自分の人生の選択を選べたと感じたんだ。 偽物だと感じていたのは、嫌と言えない、嫌われるのが怖い性格と、思ってることが言えないこと、言えたとしても空気が読めずに後で後悔し落ち込むこと、空気を読もうとしすぎて自分の気持ちがわからないことなどが原因で、そして、男や買い物に依存してしまうからだ。 でも、本物の家族ができた。怒りながらも、子どもには面倒見がとてもよく、いつも一緒に遊んでくれる壮一さんがいる。そして怒りながらも、私を心配し、賢い頭で考えて家族を優しく見守ってくれている。子供はみんなに優しくみてもらえたお陰で優しい子に育っている。 私は、この家族と生きる事が本物の自分として生きることなのだと感じた。
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