あの日から、ずっと。

キャンプー①

「こーすけ、おはよ！」おはよう、おはようとみんなと挨拶を交わして、早速学校に向かう。空は少し曇っていて、天気はあんまりよくないけど、おれの心は晴れやかだ。
「バスの中で食べるお菓子、何買ってきた？」とみんなに聞くと、ポテチだったり、クッキーだったり、だいたいありふれたお菓子をみんな持ってきているみたいだった。
「こーすけは何持ってきたの？」
「ふふ、聞いて驚け。ビーフジャーキーだ！」
　わぁっとみんなのテンションが上がった。
「俺のクッキー三枚と交換して！」とやいのやいのと早速交換の予約が入り始める。
　遠足とかの移動中、お菓子の交換はおれたち小学生にとって超大事だ。自分の持っているお菓子をつかって、いかにたくさんの種類と交換するかが、バスの中の楽しみのひとつだ。中でも、ビーフジャーキーは少し高価なだけあって、絶大な人気を誇る。
　若干おれに有利な不平等条約を結び、みんなとこのキャンプでどんなことをしたいかとかを話し合った。