キャンプー①

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 小学五年生にもなると、ぼちぼちみんな好きな人ができはじめてくるようで、タカシもケースケも、このキャンプで好きな女の子に告白するみたいだ。おれはまだ誰かのことを好きになるとか、そういう感覚はまだわからなかった。なんとなく、あの子はかわいいなとか、そういう感覚はわからなくもないんだけど、好きかって言われると、それもなんだか違う気がする。最近そういう恋バナ?っていうのが増えてきてるけど、この四人で話すときはいつもタカシとケースケだけが盛り上がって、ゆーちゃんとおれはなんとなく黙って聞いているだけだ。 「がんばって!オッケーされたら教えろよなー!」そう言ってタカシとケースケの間にはいってガバッと肩を組む。 「任せとけ!」と二人共意気揚々だけど、実はこの二人が告白しようとしている相手は、どうやら別の人の事が好きらしい。みおが言ってたから多分間違いない。  結末がわかっている二人を応援するのはなんとも気が引けるけど、こればっかりは人の気持ちだからしょうがない。ぼくもいつか人のことを好きになる日がくるのかな。まぁその時が来たら、その時にどうするか考えよう。
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