キャンプー①

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 タカシとケースケは米をとぎに流し台のほうに行ったので、おれとゆーちゃんがかまどの火付け担当だ。とはいっても、事前に学校で火のつけ方をある程度教えてもらったとはいえ、ゆーちゃんもおれも実際には薪に火なんてつけたことはない。  火をつけるのが遅くなると、ごはんを食べるのも遅くなると脅されていたので、とにかく急いで火をつけようとゆーちゃんとかまどへと向かう。 「火、うまくつけられるかなぁ」少し不安になってきたので、ゆーちゃんに話しかけた。 「うーん、つけられないとごはんおそくなっちゃうって言われてるし、なんとしてもはやくつけなきゃね。おれらのコンビネーションで、どこよりも早く準火万端にしようぜ!」 「そだな。おれらにできないことはない!」  いえーいと二人でハイタッチして、さっそく準備に取り掛かる。薪に着火剤をぬりぬりと塗り付けてから、学校で習った通りに薪をくみ上げて火をつける。あとは二人でひたすらうちわで扇いで空気を送りまくって炎を強くしていく。最初は弱弱しかった火が、だんだん強くなっていく。二人で汗だくになりながら、十分くらい扇ぎ続けると、だいぶ炎が強くなった。上々だ。どうやらほかのグループをみると、まだ着火に至ってないところもある。おれとゆーちゃんのコンビネーションで、ほぼ一番乗りみたいだ 「おれらがんばったなー。」 「なー。がんばったなー。」 「もーこれ以上なんもやんなくても許されるよなー。」 「だなー。」     
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