キャンプ―③

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 ちなみに、ゆーちゃんはタカシの好きな人と同じ番号であることが判明したらしく、タカシが頼み込んで番号を交換したみたいだった。おれは楽しみが減るので、ケースケが恋してる女の子と自分の番号が違う事がわかったあとは、自分の番号を誰にも教えなかったし、発表まで誰が何番かは聞かないことにしていた。  全員がくじを引き終わると、いよいよペアの発表だ。先生が、「一番の人!」と番号を呼び出し、どんどんペアが決まっていく。ペアが決まった人たちから、先生の周りから散らばっていく。俺は当然最後の番号なので、あまった人が俺とペアだ。  先生が十五番目を呼び終えると、いよいよ人も少なくなってきた。残っているのは、おれとゆーちゃん、みおを含めた十人だ。  十八番目が呼ばれると、みおが離れていった。ゆーちゃんはまだ残っている。十九番目が呼ばれても、ゆーちゃんは残っていた。  つまり、俺とゆーちゃんがペアってことになった。 「こーすけと一緒かよ!いつも通りでつまんなー!」とゆーちゃんがクレームを言っていたけど、おれは内心ホッとしていた。 女子と一緒になったら、おれがリードしないとダサいし、話したこともない男子と一緒だったら、苦痛すぎてしょうがない。ゆーちゃんと一緒だったら、いつも通り、楽しい話でもしてさっさと終わらせることができると思う。  肝試しは、前のペアが出発したあと、二分ほど時間をおいてから次のペアが出発する。この二分というのが意外と長くて、おれらが出発した頃には前のペアはとうに見えなくなっていた。     
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