キャンプー①

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キャンプー①

 おれの通う小学校には、五年生の九月になるとみんなが楽しみにしている大イベントがある。  林間学校。普通はそう言うらしいけど、簡単に言うとバスで二時間くらい行ったところに大きなキャンプ場があって、そこに一泊二日でクラスのみんなとキャンプをする。  友達の家に泊まりにいくのとは違って、はじめて友達だけで寝泊まりできる、みんなが楽しみにしているイベントだ。  そして、今日はそのキャンプ当日。昨日はわくわくして中々寝付けなかったけど、気づいたら朝になっていた。やっとこの日がきた!  家を出る前に、ママが「忘れ物はない?もう一回チェックしたほうがいいんじゃないの?」とやたら心配してきた。 「大丈夫だよ。おれもう五年生なんだから。おとななんだよ、おとな。いってきます!」  まったく、親ってやつはどうしてこうも過保護なんだろう。おれはもう大人だ。 家を出ると、家の前には普段から仲良くしている、タカシとケースケが待っていた。そして、親友とお互いに認め合うゆーちゃんももちろん一緒だ。     
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