【前編】 白昼堂々好青年告白事件

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「ちぇー。冗談なのにきっつぃねぇ。てか、何か腹減ってきた。カレーパンビッグ買ってくる」 「行ってらっさい」  小夜子の気ィ抜けた送り出しを受け、廊下に出ると、そこは桜の花びらで埋まっていた。 (主事サン大変そー)  そんなことを考えたあと、ハッとして「キレェ~」と付け足す。(女の子として!)  うちの教室外の廊下(4階)は、大きな桜の木に隣接していて、この季節は窓を開けたら花びら入りまくりなのだ。  窓を開けないように! とか注意されているんだけど、時々故意になのかウッカリなのか、窓は開けっ放されている。  すると、すぐにこうやって白い廊下はピンク色に染まるわけなのだ。 (腹減った~)  春うららか、気持ちの良い午後。  足を進める度に数枚の花びらがひらひらと舞い上がる。  たくさんの目線とざわめきが少しだけ気になるトコロだけど、そこら辺は無視しましょう。 「白河サン」  ぼぉっとカレーパンビッグに思いをはせていたら、突然知らない声が私の名前を呼んだ。 「へぇ」  不意を突かれた為いい加減な声で応対すると、いつの間にか私の目の前には一人の男が居た。  今時めずらしい白ベスト着用天然茶髪(染めた色では無いとみた)爽やか好青年。  こんな甘いマスクだったら大抵の女子高生はコロリじゃのう。(←オヤジ)     
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