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「―――――N!!!!」
「そのポーズ、スッゲ笑える」
「馬鹿? アンタ馬鹿??」
「馬鹿じゃぁない」
「アンタ殺されるわよ? 異世界に連れていかれるわよ!? てか私アンタと縁切るわよ!?」
「何よぉ小夜子。キャラ違くない? 男子びっくらこいてるよ。クールビューティーのイメージ崩しちゃ駄目じゃん、ネ?♪」
「『びっくらこいてる』とか言いながらイメージについて説いてんじゃないわよ。アンタに言われたくないわね」
「だぁーかぁーらぁー、何で裕次郎が駄目なのさー」
「奴をファーストネームで呼ぶんじゃねぇっ…!」
「小夜子怖い…」
しばらく小夜子は明後日の方向を見ながら暗黒の炎をまとっていたが、しばらくして大きく息を吸い、いつも通りの落ち着いた顔で私の顔を覗き込んだ。
「バスケ部キャプテン、成績常に上位、爽やか好青年、教師の人気高し、の坂本裕次郎でいいわね?」
「そんな諸データなんか知らん」
「いい? こっからが重要だからよく聞きなさいよ? 坂本裕次郎は…天性の王子体質なのよ」
「小夜子…」
「引くな!」
「ゴメン小夜子、裕次郎のことが好きって気付かなくって…あの、その、私のことは気にしないで? 裕次郎は小夜子に譲…」
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