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「譲るな気持ち悪いっ!」
「気持ち悪いって…」
「つまりね、坂本は天性のモテオーラを持つ男なのよ。ホンット、漫画の世界の住人みたいな男。私の座右の銘の中に『少女漫画はファンタジーだと思え』っていうのがあるけど、まさしくこれはこの状況に相応しい戒めであってー…(延々)」
「ハイハイ、分かったから。で? それがどうしたの」
「つまり、ヤツに惚れてる女が、この校舎内に散らばりまくってるってワケ」
「ああ、分かった。『一人見たら千人居ると思え』みたいな?」
「うん…まぁそんなカンジだけど…(それはゴキブリ…)」
「そんなん別にいいじゃん。小夜子心配しすぎだよ~。どうせ私また数日で別れるんだから。見た目で近づいて来た男なんて本性知って逃走がアタリマエじゃん」
「ん~…でも、宵子、アンタ今でも女子にはすっごい嫌われてるんだから(一部除き)、警戒しとかないと酷い目に遭うわよ?」
「アハ…そうだよね。私、すっごい嫌われ者だもんね…アハッ」
「ホラ、アンタ変なトコロで繊細なんだから分かんない子よね。女の好意なんて雲みたいなモンなんだから、嫌われ上等じゃないの」
「小夜子は強いよね…」
「アンタ凹むとけったくそ悪い性格になるわよね」
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