赤いヒール

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結局一睡もできないまま、明日の仕事に向かうことになった。マネージャーに昨日のことを報告すると、引っ越せるまでは事務所でホテルをとるし、マネージャーもついているということだった。 ひとまず安心し、今日はホテルに帰ることになった。 ホテルでシャワーを浴びて、ベッドに寝転ぶと、不安が蘇ってきた。さすがにホテルだし、同じ室番号の隣の部屋ではマネージャーも寝ている、きっと大丈夫と不安を消した。 2時間経って目が覚めた。なにかゾッとした。恐る恐るベッド脇を見る。 そこには、 赤いヒールを履いた女が立っていた。 「ねぇ、なんでこんなに好きなのに逃げるの?リサね、永遠を作る方法わかったの。逃げない方法。」 そう言うとなにか光るものを振り上げた。 あれは、と思った瞬間に、腹部に激痛が走った。俺が刺されたら、こいつは捕まるのだろうか。薄れゆく意識の中でそんなことを思った。
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