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SNS部の部員は応援してくれた。内心はわからないけど、私を応援してくれる言葉たちを見ているととても嬉しかった。SNS部には、卒業式の日だけオフ会がある。
オフ会は学校近くのファミレスで開かれる。そこで、部員の顔を知ることになるが本名は知らない。同じ学校にいるから、たまたま本名を知ることがあるかもしれないが、仮にそうであっても必要以上に詮索しない。
オフ会では、自然と高校卒業後の進路や夢の話になった。
私が自分の夢をSNS上で話したことで、みんなも自分の夢を誰かに話したくなったのだろうか。
「一流大学に行って、一流の会社に就職する。」
「作家になる。」
「ミュージシャンになる。」
「CAになる。」などなど。
10人いれば10通りの夢があるように、みんなの夢はそれぞれバラバラで面白い。
この心地よい自由な空間が私は好き。
誰も私のことを貶めようとしない。
誰も私のことを責めない。
誰も私のことを押さえつけようとしない。
部員たちとゆるやかにつながっていたい。
前向きに考えられる。
そんな部活があればよかった。
そんな居心地よい空間があればよかった。
そんな高校時代を過ごしたかった。
本当は違った。
私の逃げ道は、妄想の世界に入り浸るしかなかった。
本の世界にハマるしかなかった。
本当は悲しい悲しい高校生活だった。
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