ライフセーバーとライフセーバー

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ライフセーバーとライフセーバー

柚貴は声がした方に視線を移した。 その時、落ちついた表情で柚貴にしがみつこうとしている要救助者の目を見ながらその口を開いた海司は「あなたはコイツと俺で絶対に助けますから」と言う言葉を発した。要救助者は落ちつきを取り戻した。 それから柚貴に視線を移した海司は動揺を隠せない柚貴に「大丈夫、俺がついてるし、お前ならやれる」と言い鼓舞した。 その時、海司の顔に浮かんでいた優しい表情を目にした柚貴は海司に心を奪われた。 それから海司の指示に従い始めた柚貴は海司と共に要救助者を救出した。 数分後、柚貴は海司とその仕事仲間であるライフセーバー小浜瑛賀がいる室内にいた。 「俺、絶対に一人で救助しに行くなって言ったよな?」海司はドスの聞いた声でそう言い柚貴にお灸を据え始めた。 その時、瑛賀がその抽象的な美貌にある口を開いた。 「まあまあ、小板君も要救助者も無事だったんだし、今日はもうこれぐらいにしてあげなよ」 「…チッ」 それから上司の指示に従わず要救助者の命は勿論、柚貴の命を危険にさらした柚貴は停職一週間になり自分の浅はかさを痛感し改心した。 これからはナニがあっても海堂さんの指示に従おう…。 それから柚貴はライフセービングの事を勉強をし始めた。 一週間後、職場復帰した柚貴は海司とその同僚がいる室内でその口を開いた。 「先日はご迷惑をおかけし申し訳ありませんでしたっ」 その時、海司達に深々と頭を下げた柚貴を見ていた瑛賀はその顔を綻ばせた。 それから柚貴は再び海司の下で働き始めた。以前とは別人のように海司の指示に従いきびきび働く柚貴の姿に海司は面食らった。 ……コイツ変わったな…。海司は柚貴に貼っていたダメ男と言うレッテルを剥がした。 それから海司は自分好みの声やルックスの柚貴を部下としては勿論、恋愛対象のオトコとして見始めた。 …そう海司はタチ。独身で瑛賀の元彼でもある海司は瑛賀と別れた後、付き合ったオトコに浮気をされショックで人間不信になった現役バリバリの美青年。 柚貴が一途で独身のネコだったらいいな…とか自分より頭一つ小さく美青年でもある柚貴が独身で一途なネコなんていう奇跡の様な事がある訳ない…と思いながら仕事や買い出し、気分転換や食事をする…という生活をし始めた海司はある日、柚貴が柚貴の元彼に復縁を迫られているのを目にした。
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