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過去とライフセーバー
後日、柚貴は海司の部屋にいた。
一人分の家財道具がある室内。そこで柚貴は一糸まとわぬ姿で海司のベッドに横たわっている。薄暗い室内。海司にその目を見つめられながら「愛してるよ」という言葉をかけられた柚貴はゆっくりとその瞼を閉じた。
それから柚貴の唇を奪った海司は下半身にだけ衣類を身に付けている姿で柚貴を自分のモノにし始めた。
数十分後、海司の下で乱れに乱れていた柚貴は海司に体液を注がれその身をそらせた。
「嗚呼っっ」その時、その顔に嬉しそうな表情を浮かべていた柚貴は後日、その顔にアンニュイな表情を浮かべた。
海の家にある客席。そこで柚貴は瑛賀と昼食を共にしている。
焼きそばやかき氷が並んでいるテーブル。そこで溜息をつきながら焼きそばをつついている柚貴は食刹那、瑛賀に「海司と上手くいってないの?」と言われその口を開いた。
「…エ…いや…そういうわけじゃないんだけど…」
時折、投げやりな言動をする海司に心を痛めていた柚貴は海司の過去を知らない。故に、海司がする言動が理解できなかった。
チャンスかもしれないな…。柚貴が海司と上手くいっていない事を悟った瑛賀はそう思った。
それから柚貴から海司を奪うべく行動を開始した瑛賀は後日、海司に人気が無い場所に呼び出された。
人気が無い灯台の傍。そこで瑛賀は海司が来るのを今か今かと待ちわびている。海司好みのタンクトップとハーフパンツをその身に付け夕日を見ている。瑛賀の美貌は柚貴のそれとは一味違う。キレイ系の柚貴とは対照的でかわいらしさを見る者に感じさせる。中肉中背で一途だが欲しいモノを手に入れる為には手段を選ばない美青年。そんな瑛賀は刹那、海司っと言いその顔を綻ばせた。
その時、その顔に真剣な表情を浮かべていた海司は走り寄って来た瑛賀に対して表情を崩さなかった。
「瑛賀…俺お前とやりなおす気ないから…」
数日前、瑛賀の言動から瑛賀が自分との復縁を望んでいる事を悟った海司は考え事をするそぶりをし始めた。
その時、海司がいる室内にいた柚貴は海司の姿を見てその顔を曇らせた。
…海司オレ以外に好きな奴がいるのかな…?。
柚貴はそう思いその顔に暗い表情を浮かべた。
それから海司に自分以外に好きな人がいる…という考えを事実だと思い込んだ柚貴は海司の好きな人探しをし始めた。
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