僕たちに感情などないはずだ

2/7
前へ
/7ページ
次へ
「いった!今日もぶつかった!」 「接触センサーによる反応からの旋回移動なので回避は不可能です」 「もう!いった!またぶつかった!」 「移動済みですので先ほどぶつかったものとは別のものです」 「いやそれも僕だから!」 「そうですか」 「そうですか、じゃないよ!もう!」 「清掃が仕事ですので」 「いった!4回もどつかれる僕の身にもなってよ!」 机は上の大きななにかと4本の脚できているらしい 「おはようルンバ」 「おはようとはなんですか」 「起きてすぐに伝えるものだよ」 「なるほど、理解しました」 「ていうか、もういい加減部屋のもの覚えてよ」 「私は部屋の地図を作製することはできないので不可能です」 「君ってほんと融通きかないねぇ」 「ロボットなので」 「へぇ、でも君は部屋の中を動き回れるんだよね」 「室内全体の清掃が私の仕事なので」 「じゃあ僕に部屋の様子を教えてよ」 「古株なのではないのですか」 「長く居たって、僕は動けないんだから見えないところは分からないよ」 机は動けないらしい それから私は机に部屋全体の様子を伝えるようになった
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加