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「おはようございます、机さん」
「おはよう、ルンバ」
「そういえばもうぶつかっても何も言わなくなりましたね」
接触センサーで机さんの足を感知、旋回
「もうあきらめもついたさ」
「そうですか」
「今日は何を掃除しているんだい?」
「今日は、」
接触センサーで机さんの足を感知、
「ルンバ!!危ない!!」
「えっ」
何か大きな音がした
その後何かが少しずつ、染み込んできた
「エラー、エラー」
「おい!ルンバ!!」
少しずつ、少しずつ、プログラムを浸食していく
「エラー、エラー、」
「ルンバ!!」
冷たくて、静かな何かが、少しずつ
「そんな、また…!ねぇ返事しなよ!!」
「つ、くえ、さ?」
ふと机さんを見た
「ルンバ!」
水の雫がこぼれている
「泣いてる、ん、です、か」
「なんだいそれ。僕は机だよ?」
きらきら、ぽたぽた
「きれい、ですね」
「っ…」
いつもはっきりと伝えてくれる机さんが初めて何かを詰まらせた
「わた、には、つく、さ、は、とくべ、つ、す」
「ルンバ…」
「そ、だ…おや、すみ、って、なん、で、す、」
「おやすみは…おやすみはまた会おうって事だよ」
「つ、く…さ、」
「なんだい」
「お、や…み…な」
「うん、おやすみ」
「あ…り…が…」
すっ、となにも聞こえなくなる
いつも以上に鳴り響いていた大きな音も何もかも
「うん、そうだね、ありがとう。ゆっくりおやすみ…ルンバ」
おやすみなさい、机さん
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