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【鈴の街】 鈴と風鈴の街。街路には大量の鈴と風鈴が並んでおり、微かな風でも清廉な響きを奏でる。住人達は器用な人が非常に多い。鞄、服、髪飾り、耳飾り、ブレスレット、あらゆる装飾品にも鈴と風鈴がついていた。この街の鈴はもう逝ってしまった人の吐息で揺れることがあるらしい。 【駅の街】 巨大な駅の中にある街。空から、海底から、川底から、はたまた影から無数の電車が街の中心であるプラットホームに滑り込んで来る。乗り込む電車を間違えるととんでもないところまで連れていかれる。この街の電車から降りてしまうと切符から街の名前は消えてしまった。もちろん記憶からも。 【夢の街】 白い階段を上った先にある街。住人の大半が10代から20代の若者だった。夢を語らう若者たちの目はきらきらと輝かしく、有り余るほど。それを売って若者たちは将来の夢のための資金にする。階段の周りにしがみつく夢敗れ年をとるしかなくなったウツロにならないために。 【明の街】 永遠に夜の神に許されない街。暗闇を嫌い影のない街を作った結果、夜の神が訪れない街となってしまった。住人たちは永遠に訪れない眠りと明日を探しているという。その街で懐中電灯を買ったら実に明るく、良い物を買えた。代わりに黒の絵の具をあげるとびっくりするほど喜んでくれた。 【葬の街】 ひとりの年老いた男の住む街。街の周りにはおびただしい数の墓石が乱立し、火葬場が休む時はない。何十年もこどもが生まれておらず、もう彼しか残ってない。理由を問うと、彼は一言、ドク、とだけ答えた。毒なのか独なのか、彼の名前だったのか。彼ももう死んだので、わからないままだ。
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