「メガネ」「希望」「夜空」

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「メガネ」「希望」「夜空」

希望は世の中にばら撒かれているのだ。あまりに無造作だからそれはただの石っころに見えるだけであって。 「星なんて所詮有象無象だと思うわけなんだけど」 「うん」 「あれも石っころだ」 「うん」 「夜空なんて石っころを並べ立てた地面と一緒だよ」 「なるほどね」 メガネをケースの中に仕舞う。裸眼で見る夜空の方が好きだ。わたしは夜空が地面と一緒だなんて気付きたくなかったし、地面に希望がばら撒かれてることも知りたくなかった。 彼女の手によって天体望遠鏡が組み立てられる。わたしはそろりと近付く。どうせこんなもの覗いたって見えはしないのに。 ぼやけた視界の中で星が落ちる。 2017/08/10 お題は妹より
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