III.残夢

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高山はスマホを胸ポケットにしまいながら トリ頭の後輩に聞いた。 「で、俺になんか用か?」 「用と言うか・・・。」 宮崎は声を潜めて言う。 「蒼井さんと真里さん、何かおかしいですよね?」 「そうか?」 「とぼけないで下さいよ。 高山さんだってそう思ってるでしょう? 何かあったんですかね?」 「俺が知るわけねぇだろが。」 「本当に?もしかしてヨリが戻る 前触れだったりしませんか?」 「あ゛?」 高山は眉間に皺を寄せて どこから出したのかわからない声を上げた。 「だって蒼井さんと真里さんって 付き合ってたんですよね? 雨降って地固まるって言葉もあるし もしもヨリが戻ったりしたら どうしようかと思って。」 「何でお前がそんな心配してんだよ?」 「何でって、言ったじゃないですか! 真里さんに一目惚れしたって。」 「はぁ?それは得意のおちゃらけだろ?」 「おちゃらけでそんなこと言いませんよ! 僕は本気です!だから困るんですよ。 蒼井さんが相手じゃ勝ち目無いし。」 宮崎はいつになく真面目な顔で弱音を吐く。
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