III.残夢

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高山は腕組みをしつつ しばらく何かを考え込んでいたが やがて徐ろに口を開いた。 「あいつらに何があったかは知らねぇけど ひとつだけ教えてやる。」 高山の言葉に 宮崎は食いつくように前のめりになった。 「な、何ですか?」 「あいつらのヨリが戻ることなんてない。」 「何でそんなことが言えるんですか?」 「わかるんだよ、俺には。」 「だからその根拠は?」 「根拠も何も、今頃ヨリを戻すくらいなら 蒼井は真里を福岡に行かせたりはしてねぇってことだよ。」 「でも再会してまた気持ちが燃え上がっちゃうとか よくあるじゃないですか?」 「世間一般ではあるかもな。 だがあいつの場合はねぇんだよ。 覚悟って言葉、わかるか?」 「わかりますよ、失礼な。 でも高山さんが何を言いたいのかは よくわかりません。」 「そうでちゅか。 まぁだお子ちゃまの宮崎くんには 少し難しかったようでちゅねぇ。」 高山はからかうように言いながら 会計伝票を持って立ち上がる。
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