I.再会

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SAシステム株式会社は システムの構築と保守を手がける企業だ。 クライアントの納期は死守 納入したシステムに問題が起きれば 深夜だろうが休日だろうが 駆けつけなければならない。 更に定期的な点検、聞き取りなど やることは盛りだくさん。 急な転勤命令で2週間ほど戦列を離れていた真里が 待ち受ける修羅場にげんなりする気持ちも 大いに理解できる。 「まぁ、そんなに落ち込むなって。」 蒼井は真里を慰めるように続けた。 「いろいろ大変だけどさ 俺も高山もまた真里と一緒に仕事できるのを 楽しみにしてるんだぞ。」 その言葉がくすぐったくて、真里は少しはにかむ。 「私も楽しみよ。ところで、私の上司サマになる 高山くんはお元気なのかしら?」 「もちろん元気だし、相変わらずだよ。」 「相変わらず、おねえちゃん好きってことね。」 蒼井は苦笑しつつ頷き、 エレベーターホールの方へ視線を投げた。 「さっきまで一緒だったから どこかその辺に・・・あ、ほら。」 言い終わらないうちに背後から 「おーっ、真里!」と言う聞き覚えのある声がした。
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