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SAシステム株式会社は
システムの構築と保守を手がける企業だ。
クライアントの納期は死守
納入したシステムに問題が起きれば
深夜だろうが休日だろうが
駆けつけなければならない。
更に定期的な点検、聞き取りなど
やることは盛りだくさん。
急な転勤命令で2週間ほど戦列を離れていた真里が
待ち受ける修羅場にげんなりする気持ちも
大いに理解できる。
「まぁ、そんなに落ち込むなって。」
蒼井は真里を慰めるように続けた。
「いろいろ大変だけどさ
俺も高山もまた真里と一緒に仕事できるのを
楽しみにしてるんだぞ。」
その言葉がくすぐったくて、真里は少しはにかむ。
「私も楽しみよ。ところで、私の上司サマになる
高山くんはお元気なのかしら?」
「もちろん元気だし、相変わらずだよ。」
「相変わらず、おねえちゃん好きってことね。」
蒼井は苦笑しつつ頷き、
エレベーターホールの方へ視線を投げた。
「さっきまで一緒だったから
どこかその辺に・・・あ、ほら。」
言い終わらないうちに背後から
「おーっ、真里!」と言う聞き覚えのある声がした。
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