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それから2人は
先に昼食を済ませることにした。
ハンバーグを食べたいと言う真里のリクエストに応えて
蒼井が札幌駅北口付近にある
小洒落たレストランに連れていってくれた。
鉄板の上でジュウジュウと音を立てる
ハンバーグをひと口頬張ると
肉汁が溢れ出て火傷しそうになったがその味は絶品だった。
いろいろな話をしながらゆっくりと食事を楽しみ
その後は真っ直ぐ映画館に行った。
ドリンクとキャラメルポープコーンを買い
スクリーン11の指定席に座ると程なく映画が始まった。
それは評判通り凄まじい映像の連続で
極度のスプラッタホラー好き以外は
目を背けたくなるような作品だった。
「すごく面白かったぁ。
前に観たのより数段よかったわ。
あそこの場面でさぁ~。」
映画を見終えて
嬉々として盛り上がる真里に対して
蒼井は青ざめてぐったりしている。
「頼む、思い出させないでくれ。」
真里はニンマリとした。
「蒼井くんにも苦手なモノがあるんだね。」
「苦手とかそう言う問題じゃないよ。
いくらスプラッタとは言えやり過ぎだろ?
あんなに血ばっかり見せられたら
こっちが貧血になりそうだ。」
「そうかなぁ?
血の量で言えばこの作品は全然たいしたことないよ。
だって前に観たのはね・・・。」
「ストップ。今は聞くの遠慮しとく。」
「あら、残念。やっぱり違うの見ればよかったね。」
「いや、俺が大丈夫って言ったんだから
それはいいんだけど・・・。
でも今日はもう肉は食えそうにない。」
「意外と繊細なのね。」
真里がクスクス笑うと
蒼井はまだ血の気の戻らない顔に苦笑いを浮かべた・・・。
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