III.残夢

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「おはようございます。」と次に現れたのは咲子だった。 「あ、おはよう。」 顔を上げた真里に、咲子は心配そうに言う。 「あれ?真里さん、大丈夫ですか? どこか体調悪いとか?」 「週始めだからちょっと怠いくらいで 他は大丈夫だけど・・・何か変?」 「いえ、それならいいんです。 何となくそう見えただけなので。 この間の温泉の話ですが 3連休なのでホテルの予約だけ しちゃおうと思うんですよね。 もしよければ私が適当に 見繕ってもいいですか?」 「うん、お任せする。悪いけどよろしくね。」 「わかりました。 決めたらメッセージで詳細送りますね。」 咲子はニッコリ笑い あまり無理しないで下さいね、と付け加えて 自分の席に戻っていった。 私、そんなにひどい顔してる? 常々、人の心が読めるのでは?と 疑惑を抱いている高山のみならず 咲子にまで心配されて 真里はだんだん不安になってくる。
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