III.残夢

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真里は午後からもムダ口を叩くことなく仕事に集中した。 幸い、今日からようやく独り立ちした真里には やることはいくらでもあった。 時々、高山が物言いたげにこちらを見るが 気づかぬふりをしてやり過ごす。 そんな調子なので仕事はどんどん捗り 18時の終業時間には今日できることは 全て終わってしまった。 「高山くん、何か私にできることある?」 真里は机の上を片付けながら 難しい顔でパソコンに向かっている高山に尋ねた。 「いや、今日はないな。もう終わったのか?」 「うん。」 「それならもう少し遅くはなるが 帰りに蒼井達と飲むことになってるから 真里も一緒に・・・。」 「遠慮しとく。じゃあ、お先に!」 高山が言い終わらないうちに 真里は迷う事なく誘いを断り 素早く帰り支度をしてお疲れ様、と 疾風の如くシステム部を後にした。 「何なんだ、あいつは?」 高山は難しい顔を更に顰めて 真里が出て行ったドアを見つめた。
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