III.残夢

55/59
前へ
/185ページ
次へ
あの男とはもちろん宮崎である。 「高山さん、ここにいたんですかぁ。 探しちゃいましたよ。 向かい、座ってもいいですか?」 「ダメって言っても座るんだろ?」 「まぁ、そうですけどね。 でも一応確認するのがエチケットかなと思って。」 「お前の口からエチケットって言葉を 聞くとは思わなかったぜ。」 「やだなぁ。僕はエチケットの塊ですよ。」 わけのわからない事を言い 宮崎は水を持ってきた店員に天丼セットを注文した。 高山は興味無さげにスマホをいじり続ける。 宮崎が頬杖をつき、その様子を眺めながら言う。 「またどこかのおねーちゃんですか?」 「うるせい、ほっとけ!」 高山は宮崎をジロリと睨んだ。
/185ページ

最初のコメントを投稿しよう!

40人が本棚に入れています
本棚に追加