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「お前の所はあるっていうのかよ」
質問と同時に体勢を低くして
懐に入り込む。
やはりここはボディを狙ったほうが確実。
「あるよ。ととと、危ない」
直前でひらりとかわされてしまった。
チッ、踏み込みが甘かったか?
「暴力沙汰マズいんじゃないの?
あ、全国関係無かったか」
「ほざいてろ」
「ヤレヤレ……ケンカぱやすぎだろ。
どんだけやんちゃ部員だよ、てかさぁ
よく退部させられないね?
これじゃ爆弾抱えてる様なもんじゃん。
主将とか監督に注意されないの?」
「…………」
「ね~ちょっと聞きたいんだけど。
アンタの高校なんていうの?」
「厳木高だ」
「え?」
今までヘラヘラとしていた
奴の笑いがピタリと止む。
その反応にこっちが驚いた。
――何だ?
「……そういうのさ、早く言おうよ」
「なっ!」
奴はいきなり手に持っていたさっき買った
本屋の袋を俺に投げて寄越した。
「!?」
「あげる。出会った記念。
じゃ、そういう事で」
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