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「さて、ここからは別行動ね」
姉が陸都の手を引いて歩き始めようとする。
「え、なんで?」
わたしはそれを引き止めようとした。
「そんな付き合いたてのカップルの邪魔をするほどバカじゃないわよ。私は陸都と適当に場所見つけて花火見物するし、終わったらまたここに集合ね」
「さぁ、行こう」と陸都の歩幅に合わせて歩いていく姉の後ろ姿に小さく「ありがと」と呟いて、隣に立つ賢くんを見た。
彼も「ありがとうございますっ」と深くお辞儀をしていた。
顔を上げた彼と目が合って、照れたわたしたちだったけど、差し出された左手に何の迷いもなく自分の右手を重ねた。
そして……指を絡めた。
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