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辺りはまだ火薬の匂いが残っている。
観客がゾロゾロと帰っていく中、わたしたちはまだその場に座っていた。
「ノリ姉、今度は二人で旅行しよう。オレも親父に頼んで土曜日休みにしてもらって、土日丸々2日間、二人っきりで居たい」
賢くんがわたしの顔を覗き込んで、真剣な顔で言った。
だんだんと顔が熱くなってくるのが分かる。
2日間ということは、当たり前だけどホテルや旅館に1泊するということで。
どう考えても、それは、さっきしたことのそれ以上のこともあり得る訳で。
年齢25歳=彼氏いない歴だったわたしは覚悟を決めて行かないといけない。
「う、うん。お姉ちゃんの仕事のシフトもあるから、お姉ちゃんも休みのときなら……」
至近距離にあった彼の顔がくしゃっとなって、わたしの頭を撫でた。
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