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「遅いぞ!花火終わってだいぶ経つのに!!」
ニコニコとわたしたちが戻ってくるのを、賢くんの車の横で待っていた姉が、言葉では怒っているくせに顔がにやけている。
わたしたちの様子を見て、何かを察したのだろう。
いや、その、旅行の話をしていて遅くなっただけで、キスをしたのはあの2回だけなんだけど。
賢くんが陸都のそばへ行き、頭に手を置いて「楽しかったか?」と屈んだ。
陸都は元気よく「うんっ」と返事をして、「おおきなおとにビックリしたけどね、はなびきれいだった」とまだ興奮冷めやらぬ感じだった。
そんな光景を見ていて、もし将来、賢くんとわたしとの間に子どもが産まれたなら、きっともっと貴方は大事にしてくれるんだろうなと思った。
そう、もう、わたしは……
貴方だけしか……
END
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