02,夜空の夢【花火/aiko】

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それからどれくらいの時間が経過したのか、彩にはもう分からなくなっていたが、最後の花火が空に散ってしばらくすると、いつもの静寂が舞い戻った。 しかし、彩の心は妙にすっきりとしていて、先ほどまでの涙はどこかへと消え去っていた。 「もう、いっか」 いつもの静けさにぽつんと呟くと、それは暗がりへと静かに消えていった。 (疲れちゃった) ベランダの戸を閉め、スーツのジャケットを脱ぐと携帯電話が鳴った。手に取ると、幸一からの着信だった。先ほどの呟きと、幸一の困ったような表情が脳裏に浮かぶ。 「もしもし?」 『もしもし?さっきはごめん……突然だったから、びっくりしたんだよ。それで、ちゃんと話せないかと思って……』 彩の目に、先ほどの花火がパッと咲いて消えていった。
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