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信号が青に変わって歩き出すと、思ったよりも激しい痛みに思わず顔をしかめる。通りすがりに薬局。ふと立ち止まって考える。
(絆創膏……)
すると、その薬局から男が、やはりこちらも困り顔のややうつむき加減で出てきた。結衣に気づかずぶつかりそうになり、
「あ、すいません」
お互いに挨拶をして、顔を見合わせた。
「長谷川さん……?」
「初音さん!」
それは、結衣の約束の相手である長谷川弘樹だった。
「かっこ悪いところを……」
弘樹はバツの悪そうな顔で頬をかき、
「イテ」
と小さく呟いた。
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