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チリリリリ…─
いつものように変わらない目覚ましの音が鳴る
いつもと違うのは私がこの目覚ましの音で起きること
それと
もうこの時代に千昭が居ないということ…
自分の部屋を出て階段を降り、リビングへ行く
私が2度寝しないで起きた事に驚く家族達を気にせずコップ1杯の牛乳を一気飲みをした
『それじゃ、行ってきます』
私は手の甲で口を拭きながら家を出て行った
千昭と一緒に通った通学路も今となっては寂しい1本道
ホント、気づくのが遅すぎたよ
もう1度会いたい
千昭に会いたい…
そんな事を思う私の心とは裏腹、腕の数字は00のままだった
─────…
私が学校に着くと、隣の席にはもう功介が座っていた
『おはよ、功介』
「おはよ。今日はえらく早いんだな」
『まー…ね…』
そう言いながら目線を斜め後ろに向ける
斜め後ろには千昭の席ある
それに気づいた功介も一緒に千昭の席に目を向けた
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