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「いきなり留学とか、考える事バカだよな、アイツ」
『うん…でもアイツ本人が決めた事だから』
「………」
千昭の話はこれで終わった
お互いそれなりにショックを受けてたし、私たちは千昭を忘れる事に必死だった
─────…
放課後
夕焼けの景色が広がる空を見ながら、私は自転車をこいでいた
夕焼けを見ると何か切ない
夕焼け空の中、私は千昭に告白された
そして私はその現実を受け止められずに、その出来事をなかった事にしてしまった
今なら受け止められるのに
今なら素直になって、私は千昭に…
チャリンチャリン…─
「真琴!」
『!!!』
「後ろだ、真琴!」
私は自転車を降りる
『今の声…』
私はこの声を知っている
この声は
『…千昭?』
私はその声が聞こえた後ろの方をゆっくりと振り返った
「……千…昭」
「当ーたーり」
そこには千昭が笑いながら自転車にまたがっていた
「久しぶり…って程でもないかな?」
そう言いながら千昭は自転車を降りた
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