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「そこまでやっちゃいますか……。」
「真琴さんが言う様に、怜治さんは他人の言葉を信じてくれないからさ。こうでもしないと、俺の言ってる事を信じてくれないと思って。この間から考えていた事なんだ。」
「で、宇崎家のボスとその嫁は何て?」
「うん、初めは律にぃも心配して戸惑ってた。でも意外にも京にぃが『好きにしろ』みたいな感じで、最終的には律にぃも『したいようにして良いよ』って言ってくれた。」
小太郎の計画を聞いた真琴は盛大なため息を漏らす。
「マジかー。お前もだけど、あの二人もとんでも無い事を……。」
「……人の人生を左右しちゃう事だから、了解も無しにこんな事をしちゃうのは駄目なのは分かってるよ。でもさ、コレ以外、思い付かないんだ……。」
他に方法があるのなら、教えてよと小太郎は懇願する。
(あーあ、行き詰った顔しちゃって……。まだ高校生なのになぁ。怜治さんも罪作りな人だよ、ほんと。)
小太郎が決意して、京市と律がそれを認めたとなると、この話は本格的に動き出すだろうと真琴は思った。
そして考えるのだ。
友人の為に、自分に出来る事は何かと。
「小太郎の決意は分かったよ。あの怜治さんだもんなぁ、この位やらないと意味が無いのかもな……。やってみろよ、俺も出来る事は協力するから。」
「有難う、真琴さんっ!」
人懐こい笑みを見せる小太郎の頭を撫でてやり、真琴は気持ちを切り替えた。
「お前達の事だ、どうせもう下準備は出来てるんだろう?」
「うん、京にぃにお願いしてあるから、書類関係は大丈夫だと思う。施設の長谷川さんにも協力して貰う算段は付いてるし。」
「おやまあ、手回しの良い事で。」
(部屋に籠り切ってるって律君から聞いてたけど、自分で色々と考えて動いてたんだな……。)
子供が大きくなるのは早いものだと、真琴は少しは寂しい気持ちに。
そしてこの先、少しでも明るい未来が訪れる事を祈ったのだった。
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