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「(母 紗佳)ん~・・・、なんて言ったらいいのか・・・、子ども・・・奈良未が本当の子どもだったらって・・・あたしたち・・・子ども・・つくっておけばって・・・」
「(父 隆興)ん~・・・、まぁ・・・でも、わざとじゃぁないんだから・・・」
「(母 紗佳)こればっかりは・・・って・・・何度も聞いたわ・・・」
「(父 隆興)ぼくだって・・・ん~・・・奈良未のことは任務と割り切って・・・」
「(母 紗佳)できるわけないじゃんっ・・・」
「(父 隆興)ぼくだって・・・できるわけない・・・」
「(母 紗佳)じゃぁ・・・なんで・・・こんな・・・まるで恥さらし・・・」
「(父 隆興)そんなこと・・・そんな言いかたって・・・」
「(母 紗佳)赤ちゃん・・・欲しい・・・可愛いの・・・めっちゃくちゃ・・・も~っめっちゃくちゃ可愛いのが欲しい!」
「(父 隆興)ぼくだって・・・可愛いのが欲しいよ・・・当たり前じゃんっ・・・」
「(母 紗佳)じゃぁ・・・赤ちゃん・・・ちょうだいよ!今・・・すぐ・・・今すぐっ!!・・・うぇ~ん、ぐっぐっ、うえ~ん」
「(父 隆興)ぼくだって・・・ぼくだって・・・」
「(母 紗佳)うぇ~ん、ぐすっ・・・ぐすっ・・・うぇ~ん、ぐっぐっ、うぇ~ん、うぇ~ん、うぇ~ん」
「(父 隆興)わかった、わかった、もうやめよう」
「(母 紗佳)ぐすっ・・・ぐすっ・・・うぇ~ん、ぐすっ・・・ぐすっ・・・」
「(父 隆興)もうやめよう、あやちゃん・・・」
「(母 紗佳)ぐすっ・・・ぐすっ・・・うん、ぐすっ・・・ぐすっ・・・」
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子どもができなかったことを痛感させられる毎日。ただでさえ、他人の家、家族の団らんが、うらやましかった。妹の安佐未が暮らす武藤家もそうだろうが、姉が暮らす森沢家も当初は任務として捉えた。まさか、ここまで人間、いや、人間以上とは。本当に自分たちに最初から子どもがいたと錯覚してしまうほど。しかし、はっと気づくと自分たちは子どもにめぐまれなかったという現実、そして負い目の日々。5年間、耐えらる夫婦はいるのか。妹が暮らす武藤家も、姉が暮らす森沢家も、自分たちは現実直視に耐えられそうもないと思った。
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