第2章

27/30
前へ
/30ページ
次へ
「俺もそうするのがいいと思う」 「由莉さん……」 と後ろから 逃さないとでも言うかのように 由莉も僕の両肩に手をかけた。 「響也が出て行ってから俺たちも寂しかったんだよ」 声のトーンはごく軽いものの 「ね?」 そこには有無を言わせぬ響きがあった。 「だけど……やっぱり僕」 断ろう――。 初めから正体の分からない男たちだ。 乗せられてここまで来てしまったけれど これ以上――。 「……帰ります」
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!

81人が本棚に入れています
本棚に追加