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「でも……」
「明るくなれば朝で暗くなれば夜だ」
同じ言語を話しているとは思えない。
時間だけじゃない。
この男は空気も読めないのだ。
「安心しろ。二時間と言ったら朝まではかからないから」
タイヤがパンクしそうなでこぼこ道を
ひたすら走り続ける車内で
「そうですか……」
自ずとため息が漏れる。
「そう言えば大学でもあまり見かけませんね」
「俺か?」
「時間の感覚がないから?」
どうせ時間がかかるのならこの際。
相手の正体を探ろうと僕は鎌をかけてみるけれど。
「隠れてるんだ。人の間に。紛れるのは得意だ」
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