第2章

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冗談か本気か。 (その頭だけでも無理だろ……) およそ正当とは言えない理由をつけはぐらかされる。 「まあ正直、ほとんど家から出ないんだ」 「どうして?」 「どうして?分からないか?」 肩先までかかるブロンドをかき上げながら 「森ん中で迷子になることの方が多いからさ」 「ちょっ……!」 「冗談。家はもうすぐそこだ」 由莉はからかうようにうそぶいた。 その言葉通り。 少しずつ森が開け 「あ……」 「あれさ」 平坦な道の先に 古い城門のようなアーチが見えてくる。
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