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冗談か本気か。
(その頭だけでも無理だろ……)
およそ正当とは言えない理由をつけはぐらかされる。
「まあ正直、ほとんど家から出ないんだ」
「どうして?」
「どうして?分からないか?」
肩先までかかるブロンドをかき上げながら
「森ん中で迷子になることの方が多いからさ」
「ちょっ……!」
「冗談。家はもうすぐそこだ」
由莉はからかうようにうそぶいた。
その言葉通り。
少しずつ森が開け
「あ……」
「あれさ」
平坦な道の先に
古い城門のようなアーチが見えてくる。
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